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エーザイ/バイオジェン、BACE阻害剤elenbecestatで脳内アミロイドベータレベルで有意な減少を示したと発表

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エーザイ社とバイオジェン社、経口βサイト切断酵素(BACE)阻害剤elenbecestat(開発コードE2609)について、米国で実施した臨床第Ⅱ相202治験において、安全性と良好な忍容性を示し、アミロイドPETによる脳内アミロイドベータレベルの統計学的に有意な減少を示したと発表した。

臨床症状に対する有効性については、統計学的に有意ではなかったものの、臨床症状評価スケールにおいて、臨床的に重要な変化と考えうる数値的な悪化抑制が観察されたとしている。

同治験では、70人の患者様を対象としており、対象患者はアミロイドPETでAβの脳内蓄積が確認されて、アルツハイマー病に伴う軽度認知障害および軽度から中等度の患者を対象とし、18カ月間投与のプラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、無作為化の治験である。

Elenbecestatは、投与18カ月時点で、安全性と忍容性において、求められるプロファイルを示た。頻度が高かった有害事象は、接触性皮膚炎、上気道感染、頭痛、下痢、転倒、皮膚炎などであった。。また、肝毒性に繋がる副作用の報告はない。

アミロイドPETによる脳内Aβレベルにおいて、プラセボ投与群に比較して統計学的に有意な減少を示した。両社の発表によると、アルツハイマー病に伴う軽度認知障害から中等度アルツハイマー病対象とした臨床試験において、BACE阻害剤による脳内Aβの減少に対する有意な効果を確認した初めての結果であり、詳細な結果については今後、学会等で発表する予定としている。

Elenbecestatはエーザイが創製し、2014年3月からエーザイとバイオジェンが共同開発を進めている。現在、早期アルツハイマー病を対象とした2つのグローバル臨床第Ⅲ相試験(MISSION AD1/2)が実施中だ。

エーザイ ニューロロジービジネスグループ チーフクリニカルオフィサー兼チーフメディカルオフィサーであるDr. リン・クレイマーは、以下のように発表した。

「202試験において、elenbecestatが脳内アミロイドベータの減少を確認し、臨床症状について悪化の抑制を示唆する結果を得たことを心強く思います。エーザイとバイオジェンは、連携して進行中のフェーズⅢ試験プログラム(MISSION AD)を着実に進め、アルツハイマー病の患者様に一日でも早く貢献できるよう全力を尽くします」

また、バイオジェンのエグゼクティブ・ヴァイスプレジデントチーフメディカルオフィサーのDr. アルフレッド・サンドロックは、

「バイオジェンは、本試験におけるelenbecestatの安全性と忍容性の結果に勇気づけられています。私たちは当事者、ご家族、友人、そして社会に大きなインパクトを与え、アンメット・メディカル・ニーズの高いアルツハイマー病の研究に引き続き取り組んでいきます」

と述べています。

アルツハイマー病を対象とした最近のBACE阻害薬に関する治験・開発情報として、先月、ジョンソン・エンド・ジョンソンのヤンセン社が、BACE阻害剤のatabecestatの開発を中止している。これは、投与された一部の患者において肝臓酵素の重篤な上昇が見られたことによるものであった。

また、米メルク社は、外部データモニタリング委員会が、治験を継続してもBACE1阻害剤verubecestatが、肯定的な臨床効果/リスク軽減を示す可能性は低いと結論付けた後に、軽度・中等度のアルツハイマー型認知症を対象としたverubecestatの第三相臨床試験を終了している。

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