製薬業界の最新ニュースと解説

FDAが固形腫瘍のNTRK融合遺伝子の特定にFoundationOne CDx診断検査を承認

JMAT202010

海外がん医療情報リファレンスは、有志の翻訳者、監修者の協力のもと、日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT)が運営をしています。
がんに関わるすべての人に、海外の最新がん情報を翻訳してお届けしております。

【海外がん医療情報リファレンス 2020/11/4】 2020年10月23日、米国食品医薬品局(FDA)は、ラロトレクチニブ(販売名:VITRAKVI、Bayer Healthcare Pharmaceuticals, Inc.社)の治療対象となる固形腫瘍患者の腫瘍組織標本から単離されたDNA中の神経栄養受容体チロシンキナーゼ(NTRK)遺伝子、NTRK1、NTRK2、NTRK3の融合を同定するコンパニオン診断として、次世代シーケンシング(NGS)をベースとしたFoundationOne CDxテスト(Foundation Medicine.Inc.社)を承認した。

ラロトレクチニブは、既知の薬剤耐性変異のないNTRK融合遺伝子を有し、転移性であるか、外科的切除により重篤な障害が生じる可能性があり、代替治療がないか、治療後にがんが進行している固形腫瘍の成人および小児患者を対象に、2018年11月26日に迅速承認された。

ラロトレクチニブは、3つの多施設非盲検単群臨床試験、LOXO-TRK-14001(NCT02122913)、SCOUT(NCT02637687)、NAVIGATE(NCT02576431)のデータに基づいて承認された。NTRK融合遺伝子陽性の同定は、NGS、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)および逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を用いて、試験実施地域の施設で前方視的に実施された。FISH法でETV6転座が確認された乳児型線維肉腫の小児患者3人では、NTRK融合遺伝子の存在が推察された。主な有効性評価項目は、RECIST 1.1に従って盲検独立審査委員会によって判断された奏効率(ORR)と奏効期間であった。

FoundationOne CDxアッセイ(F1CDx)は、ラロトレクチニブの迅速承認の裏付けとなった3つの臨床試験に登録された患者の腫瘍組織サンプルを用いて行った、F1CDxによる後方視的な検査に基づいて、ラロトレクチニブのコンパニオン診断として承認された。F1CDxでNTRK融合遺伝子陽性が確認された患者において、ラロトレクチニブの有効性が維持されていることが示された。F1CDxは次世代シーケンシング(NGS)をベースとしたin vitro診断機器で、NTRK遺伝子融合に加えて複数の変異を検出することが可能である。

FoundationOne CDx検査(P170019/S017)の安全性と有効性の概要はこちらを参照。

翻訳後藤若菜
監修遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/九州大学病院 整形外科)
原文を見る
原文掲載日2020/10/26

出典: FDAが固形腫瘍のNTRK融合遺伝子の特定にFoundationOne CDx診断検査を承認
発行元:海外がん医療情報リファレンス (一社)日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT・ジャムティ)
発行日: 2020/11/4

この記事は、日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT)が翻訳、発行した記事を承諾を得て掲載しております。[免責事項]JAMT社運営のサイト「海外がん医療情報リファレンス」は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。